東京医科歯科大学附属○ヶ浦病院

私も長いこと関東・中部の戦跡調査をしてきたが、茨城の戦跡を調査したことがなかった。	しかし、ここ○ヶ浦湖畔に素晴らしい戦争遺跡を見つけた。	旧海軍鹿島航空隊の施設。その入口がここである。
入口には小さな受付がある。ここは、戦後、病院として利用されていた。	東京医科歯科大学附属○ヶ浦病院である。ここは、その1階廊下。	廊下の両サイドに、いくつもの小部屋がある。
病院というよりは、かつて学校であったにではないかというカンジである。	こちらは大きい方用の個室トイレ。個室なのに窓があるなんて、見えちゃうじゃないの。	調理人専用の個室トイレがあった。病原菌対策だろうか。
いわずと知れた男子専用小便器。アサガオってやつですね。	病院の器具を置いていた棚。事務長などの札がかかっていた。	病院専用の機材は何も残っていない。言われなければ病院と気付かない。
戦時中は、海軍鹿島航空隊の司令部の建物だったと言われている。	奥には、宿直室のような部屋があった。縁側までついている。	ここだけは、畳がひかれていて、建物内で唯一の和室になっていた。
窓から差しこむ陽射しと影のコントラストが何とも芸術的である。	カーテンから差しこむセピアな光は、静寂さをより引き立たせていた。	今度は2階に行ってみよう。階段の踊り場から1階を撮ってみた。
ここは、建物全体が、スズメなどの小鳥たちの巣になっている。	朝日に照らされた建物の中に、小鳥のさえずりが心地よく響いている。	天空の城ラピュタを彷彿させる空間がそこには確かに存在した。
窓から差しこむ朝陽が、自分たちの『生』を実感させてくれる。	ここを見ると、後から部屋を分割して利用していたことがわかる。	これは、食事を運ぶ為のエレベーターのようだ。
エレベーターの中を覗いてみた。	ここは、風呂でもあったのだろうか。脱衣所のような構造だ。	トイレの扉が、開拓時代のアメリカ西部のバーを思い浮かばせる。
花子さ～ん！いらっしゃいますか～？	外には、基礎のみが残った建物の跡がたくさんある。	なんか、トイレの写真ばっかりじゃないか？これ。
2階から階段の踊り場を覗くと、こんな風に見えるんだ。	建物内には、このような個室がいくつもある。	病室なんだろうけど、ベッドくらい残しておいてよ。
こっちのトイレは男女別になっているが、間の壁が低いゾ。母校のトイレを思い出した。	トイレはキレイに掃除されてます。って何で？	天井から蛍光灯ぶら下がってます。誰か営繕請求しとけよ！
これは、お気に入りの1枚。いいコントラストです。芸術点高いよ。たぶん。	ここは、院長室なのだろうか？元は司令官の部屋だったのだろう。	唯一、洋館風の内装だったこの部屋は、重厚さすら感じた。
廊下に出る扉も観音開きで、まあ豪華。	この部屋だけ豪華なんだもんなあ。色合いもいい。	思わずいっぱい写真を撮ってしまった。
この扉が壊されているのが残念である。	こちらも廊下に出る扉である。	ここの天井だけが木製です。他はコンクリート製なのに。
天井に抜け穴発見。どこに続くのやら。しかし天井高いなあ。	またまたトイレです。気がつくと花子さん探してます（笑）。	このトイレのノブは、『使用中』という文字が右から描かれてる。
つまみをひねって見ると、『あき』という文字が右から描かれていた。	３階は、床が板張りの小部屋がいくつかある。	３階の窓はイイ感じで朽ちていた。
こうして見ると、昔はいくつもの建物があったことがわかる。何故取り壊したのか。	見下ろすと電線がこんがらがっていた。これじゃ電気がショートするわな。	木製の扉や木枠、木の壁が校舎らしさを残していた。
古い木製のロッカーがあった。小学校の体育館の玄関を思い出した。	3階にあった器具庫のようなロッカー。かつては薬品棚だったのだろうか。	屋上（3階の外）にあった倉庫の外扉。いいサビ出してます。
隣の建物は何だったのであろうか。文献があれば調べてみたい。	何かを立て掛けておく倉庫。屋上（3階の外）にあった。	食料運搬用エレベーターの1階部分。インターホンが新しい。
病院の建物の裏口。この右脇に『ひょうたん池』がある。	裏側から見ると、建物の古さが良くわかる。	裏側は、いかにも廃墟という雰囲気を醸し出していた。
病院の正面入口を内側から撮影。卒業アルバムなんかにでてきそうな写真に仕上がった。	遠くから見ると何の建物かわからない。ただ、廃墟ということ以外は。	建物から湖の方に歩いて行くと、草原の中に街灯がポツンと建っていた。かつての道の跡。
国立大学の附属病院であったが、巷では軍人病院と呼ばれている。	筍のようにニョキッと海軍の消火栓が地面から顔を出していた。