南海病院

Nankai Hospital


旧『南海病院』。大阪府S市に、その病院はあった。 住宅街の中にあるその場所は、知っているものでないと気付かないだろう。 物件の所在地は、リザードさんに教えていただいた。
関西では、丸井病院という心霊スポットとして有名だったらしい。 その正式名称についてはいくつかの説があるが、私は内部に残された大量の資料から発掘した。 昭和54年頃の現像液などが置いてあったので、かなり古い物件のようだ。
入口は外のデザインに合わせて、ギザギザの屋根になっていた。 この病院には、外科と整形外科と消化器科があった。 レントゲン室の前には、大量のレントゲン写真とカルテが散乱していた。
レントゲン室の中にあった、レントゲン撮影機器。 レントゲン撮影機を動かす装置。ハンドレバーやオシロスコープがついている。 自動現像機。レントゲン写真を自動的に現像できる。この辺りは酢酸臭い。
手術室はタイル貼りで、丸い建物なので、扇形の部屋になっている。 手術台がそのままになっていた。見ての通り、かなり古いタイプの手術台だ。 患者の視線に立って、手術用のライトを見上げてみた。今にもピカっと光りそうだ。
オシロスコープが置いてあった。体内の電流や電圧の変化を画面上に視覚的に表す機械だ。 このダイヤル式のTVも相当古い。レトロな時代の遺留品。妹とチャンネル争いをした頃が懐かしい(笑)。 中心の太くて丸い柱が大黒柱で、その周りにドーナツ状に廊下と部屋が並んでいる。
階段は建物の中を螺旋状にグルリと設置してある。 この夜も2組ほどの肝試しグループに遭遇したが、あまりにも連中が五月蝿かったので、 『あまり騒ぐと、近所迷惑だし、通報されるぞ』と脅かすと素直に『すいません気をつけます』と謝り静かになった。
病院が取り壊された今、この住宅地にもようやく静寂が訪れるのだろう。        

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