Minogaoka
Hospital 1

 

Photography

Exterior

この病院は、大阪万博で華やぐ1970年に開業した。

精神科、内科、神経科があり、全て閉鎖病棟。病床数は128床ある。

建物は木々で覆われ、外からは中の様子を窺い知ることはできない。

それだからというわけではないが、この病院では、

明らかな人権侵害とも言える行為が、日常茶飯事的に行われていた。

そもそも、それが発覚したのは、2001年8月初旬に遡る。

大阪府による立ち入り調査によって、診療報酬の不正受給が明らかになった。

 

Terrace

医療法の基準では、患者6人に看護人1人の看護基準があるが、

この病院は、それを満たしているものとして、

128の病床数に対する適合値22人を越える25.4人という数値で届け出て、

特別入院基本料による診療報酬を受給していたのだが、

実際には12.7人という数値であり、実際の倍の数値に改ざんして、

診療報酬を不正受給していたことが発覚した。

 

Walkway

つまり、現実問題として、看護人不足が深刻な状況であったことになる。

精神病院における看護人不足は、とても大変なことであり、

看護人1人あたりへの負担も、他の病院とは比較にならないほど大きくなる。

これを解消する為に、行われたのが、

患者による患者への看護システムであった。

 

Desk

食事の配膳、体の不自由な患者の入浴補助やオムツの交換、

病院内のトイレ清掃、院内の植木の水やりなど、

本来ならば病院の職員が行うべき行為を、

比較的元気な患者に行わせていたのだ。

まぁ、これだけならば、患者による自治制度としても捉えることができ、

学校などでも、掃除や配膳は児童(または生徒)がやっていたりするので、

さして気になる問題でもない。

 

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