White House |
Sepia version
Photography |
The house where the sad incident arose |
エピローグ
今回、紹介した逸話は、人々の間に伝わる噂の一つでしかありません。
噂は、人の間を伝わる間に、色々と姿を変え、
いつの間にか、真相とはほど遠いものとなってしまうことが良くあります。
今回紹介した話が、あなたの知っている噂と違っていたとしても、
それは、不思議なことではありません。
猟奇殺人を起こしたのが、少女ではなく、息子であるという説もありますが、
それは、後から話がすり替えられただけで、元々の噂は、少女によるものです。
今回は、猟奇殺人の噂を紹介していますが、
この話は10年ほど前から噂されているものです。
それより以前は、少女が病死したという説が噂されています。
少女の病気療養の為に、この屋敷に住んでいた一家が、
少女の病死と共に、この不便な地に留まる必要もなくなり、
屋敷を離れていったという噂です。
10年ほど前に、この屋敷が心霊スポットとして紹介され、
次第に廃墟化し、訪れる者たちによって破壊され、
その無残な屋敷の姿から、「病死→猟奇殺人」と噂がすり替えられました。
病死説よりも、猟奇殺人説の方が面白いから、噂は自然淘汰されていきました。
2階で少女が首吊り自殺したという説もありますが、
これは、別の物件の噂が混同してしまったものと思われます。
このホワイトハウスから、もっと南の方に行った山の山頂に、
ブラックハウスという建物があり、このブラックハウスを
「真のホワイトハウス」と勘違いしているケースがよくあるのです。
首吊り説は、ブラックハウスに伝わる伝説です。
しかし、いずれの話も、単なる噂でしかありません。
ただ一つ、確かなことは、
このホワイトハウスでは、殺人事件は起こっていません。
現地を訪れたことのある人ならわかると思いますが、
コンクリートの廃屋ではあるものの、噂のような洋館ではありません。
建材を調べてみましたが、昭和初期の建築でもありません。
元々は、とある会社社長の別荘だったと聞いています。
建物の惨状が、噂に色をつけ、面白おかしく伝えられていったという状況です。
西洋風の内装 → 外交官という職業
不法投棄された少女用の遊具 → 少女の存在
窓にはめられた鉄格子 → 精神病
人里離れた場所 → 病気療養
床に滴下した落書用の赤いスプレーのインク → 血痕(殺人事件)
破壊しつくされた状態 → 猟奇殺人
これらの状況が、ここに纏わる伝説を作り上げていったのです。
我々が訪れた昼間でさえ、たくさんの若者他達がこの場所を訪れてきました。
幸い、彼らは建物の外から眺めるという程度で、
騒いだり破壊したりということはありませんでしたが、
(建物の中に入って撮影している我々の方が、よっぽどタチが悪い)
建物の惨状を見る限り、夜などは凄い状況になっているのではないかと想像できます。
近くのトンネルが心霊スポットになっているせいもありますが、
夜間の来訪は、近所の方が迷惑しておられると思われます。
くれぐれも、ここを訪れる際は、騒いだり火を使ったりしないようにお願いいたします。