Convalescent 1

I山廃墟群の中で、最も有名な物件。

そのため、ここを訪れる者も少なくない。

１階部分は、窓や扉が鉄格子で覆われていた。

だからといって、精神科の隔離施設というわけではない。

ここは別荘地なので、単に、防犯のためなのだろう。

鉄格子ごと破壊された窓の方から中を覗くと、

がらんどうで、何も残っていないような感じだった。

薄暗い台所には、システムキッチンが残っていた。

ここはどこかの会社の保養所だったようだが、

建物の名前以外、それとわかるものが残っていなかった。