北炭清水沢発電所

Shimizusawa Power Plant


その建物は、清水沢ダムの近くにタ建っていた。 取り壊し作業なのか、重機がけたたましく動いている。 しかし、よく見ると、建物本体には重機が向かっていない。
どうやら産業廃棄物処理場になっているようだ。 産廃処理業者のトラックが出入りをしていた。 業者の人が見ている中、敷地内をウロウロ。
敷地内にはいくつかの建物があった。 そしてこれがメインの建物。一部だけではあるが残っていた。 『旧北海道炭鉱汽船清水沢発電所』である。
この建物は火力発電所である。 水力発電所はダムのすぐ近くにある。 建物の裏側には巨大な電力プラントが残っていた。
この発電所は、大正15年3月に造られた。 北炭夕張炭坑への送電が目的だ。 入口を見つけたので、早速入って見る事にした。
中は設置されていたはずの機械類が撤去され、ガラーンとしていた。。 朽ちかけた鉄製の階段を登れば、2階に上がることができる。。 2階もガラーンとしていた。大型トラックが何台も入りそうなくらいデカイ。
中途半端に壊されていて、床が崩れている箇所がある。 この奥の方では、重機が建物の破壊を行っているようだ。 高い天井の途中にゴンドラがぶら下がっているのを見つけた。
事務所のような部屋があった。案外、物が残っている。 発電所にバッテリー(笑)。バッテリーなだけに、リリーフなのかしら(爆)。 制御盤がしっかりと残っている。しかも状態がいい。
開設当初は、6000kWhの発電能力を持ち、東洋一と言われていた。 その後、増設を繰り返し、74500kWhの発電能力を持つほどになった。 火力発電所としての規模は、東日本一の大きさを誇り、閉鎖するまでその地位を保った。
隣接して建てられた水力発電所も2800kWhの発電能力を持っていた。 昭和30年代以降、北炭の所有する各炭坑の合理化と閉山が進められた。 ここ北炭清水沢発電所も昭和57年に北炭真谷地炭坑の所有となった。
しかし、その真谷地炭坑も昭和62年に閉山してしまった。、 しかし、その後も発電はし続けられたようだ。 火力発電所の方は、老朽化が深刻になり、平成3年に閉鎖した。
その後も建物は廃墟として、そこに在り続けた。 この場所に来た時、あの根岸競馬場の光景を思い出した。 特に、この雰囲気が根岸競馬場の廊下にそっくりだった。
独特の廃墟臭が、根岸競馬場のそれによく似ていた。 発電所本体から少し離れた場所にある建物。 、しかし、その屋根は、冬の度に訪れる雪の襲来に耐えられなかったようだ。

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